イスラム圏など一部諸国からの入国制限を連邦最高裁が支持  トランプ政権に追い風か

 【ロサンゼルス長野宏美】米連邦最高裁は26日、トランプ政権が昨年9月に発表したイスラム圏など一部諸国から米国への入国を規制する措置について、支持する判決を出した。ハワイ州などが「イスラム教徒を対象とした宗教差別にあたり違憲」だと提訴していたが、政権側はテロ対策などの一環として正当性を主張していた。トランプ氏が大統領選から訴えてきた入国管理の厳格化について最高裁が支持したことで、政権運営に追い風となる可能性もある。

 最高裁判事9人のうち保守派の5人が支持。最高裁判決理由として、大統領は入国制限を行う相当な権限を有していることを挙げた。判決について、ニューヨーク・タイムズ紙は「長期にわたる論争に終止符を打つもの」と報じた。トランプ氏は「米国人にとっての大きな勝利だ」との声明を発表した。

 最高裁が支持したのは、大統領令に基づく入国規制措置のうち3度目の改定版で、イランやリビアなどイスラム圏の一部諸国や北朝鮮ベネズエラからの入国を規制するもの。ハワイ州や人権団体が提訴し、複数の下級審が差し止め命令を出した。最高裁は昨年12月、下級審命令を無効とし、最終的な判断が下されるまでは規制措置の執行を有効と判断していた。

 トランプ氏は大統領就任直後の2017年1月、イラクを含むイスラム圏7カ国からの入国を禁じる大統領令を出し、反対派から「差別だ」と強く批判され、空港などの入国管理にも一時混乱をきたした。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180627-00000001-mai-n_ame